地元に戻って一人暮らしをしていた頃、当時では周りの友人は誰もまだ一人暮らしをしていなかった。地方へ仕事で転勤した友人たちは別だけど。なかには既に結婚して子供がいたやつもいる。 そんな仲間内で一人暮らし一番乗り。
一人暮らしは18からで、高卒から経験しているから、自分にしてはあまり特別なことではない。地元に帰って来たといっても実家でお世話になるわけにもいかず。 周りの友人たちも一人暮らしは、やろうと思えば出来るだろうし、それぞれ仕事も慣れてきた頃で、そろそろという感じだが、まとまったお金が貯まらないのだそうだ。派手に贅沢しているようにも見えない。 一つを除けば・・・。私も含め友人たちは車が好きで、車にお金を使ってしまうのが貯まらない原因の一つ。
いつか友人らも一人暮らしを始めるだろうけど、部屋へ遊びに来るたびに「ええなぁお前は一人暮らしできて・・・」と愚痴を洩らす。「やったらええねん、出来るって・・・」と返すが、 内心は羨ましがられているのが、少し気持ちがよく優越感を感じていた。
ただ、私の部屋はごく普通の部屋だし、いつも部屋を借りるとき所持金を全部叩いてしまい、後のことはあまり考えない方で、入居時はほとんど何もない状態。家電も家具すらない。 そんな状態も見てきているのに。
一人暮らしをすること自体が羨ましく見えるのだろうと思う。見掛けほど楽なものではないけど、羨ましがられるのは悪くない。そんな優越感もそう長くは続かず、 数ヵ月後友人たちも一人暮らしを始めた。
ほんの一瞬だったが、仲間内で一つ上に出た感じで優越感を味わえた。だが、友人たちもなんだかんだいっていい部屋に住み始めたのはいいけど、逆に俺の方が羨ましく思えた。
一瞬ではあったが些細な幸せだった。そう優越感を味わえることがないから・・・。